104歳の聖火ランナー

3年程前にある雑誌で100歳を超えた現役美容師の日常生活の記事を読みました。
お客様は日に一人二人のこともあるし、みえないときもある。けれども必ず朝からお店の掃除をして、鋏や剃刀を砥いで準備しているということでした。家の周りを毎日散歩し、食事もバランスに気をつけて、自己流の体操も欠かさない、という生活。美容師として働く体を維持するために長年続けられているのだと。
それを読んだ時は、私も能を舞うために自己流に近い能エクササイズやストレッチをしているので、「人生の先輩だ!私も毎日頑張ろう!」と思ったのでした。

一昨年、テレビで2020オリンピックの聖火ランナーに選ばれた人たちのニュースをみていたら、その方の顔が…。箱石シツイさんという方でした。
103歳で聖火ランナーというだけでビックリしましたが、新しい目標ができてそれまで以上に張り切られるだろうなと嬉しく思いました。
けれども2020年に入るとコロナが蔓延し、オリンピックは中止にはならなかったけれど一年延期になってしまいました。その年齢で一年待つのは大変なことです。どんなにかがっかりなさったことでしょう。その上、日が経つに連れ「オリンピック中止」の声が強まり、聖火ランナーの辞退も相次ぎました。私はもう箱石さんの頑張る姿は見れないのかもしれない、と思っていました。

ところが、驚いたことにちゃんと聖火ランナーを務められていたのです。本番を見たわけではないのですが、オリンピック後のドキュメンタリーで、シツイさんが延期後も諦めずにトレーニングをなさっている様子を目にしました。
私もしている膝にクッションを挟んだスクワットや、片足立ち、肩回し首回しのストレッチ、腕の力を鍛えてトーチと同じ重さの棒を持って歩くイメージトレーニングなどなど…。30年程前から美容師としての体を保つために始められたという自己流のトレーニングを、1年延びたオリンピックのためにレベルアップして続けられていたのです。「気持ちはアスリートと同じだ!」と感動しました。
当日の映像も見ましたが、併走はありましたが雨の中誰にも支えられず、時折トーチを片手に持ち、もう一方の手で沿道の人に手を振りながら歩いておられました。

人間の体ってすごい!
「思いを持って日々努力していけば、歳はとってもそれなりに体は応えてくれる」と改めて思いました。こんな方はそうそういらっしゃらないとは思いますが、箱石さんの頑張りと笑顔にとても勇気をいただきました。


私も能エクササイズやストレッチをこれからもずっと続けていきたいと思っています。日々同じように自分の体に向き合うことによって、体にちょっとした変化があったときも、「何か違和感がある」と早めに気づくことができます。その時点で対処したり、信頼する整体や鍼の先生(私の場合)に診ていただくことで事無きを得ることが多いと思います。

周りの皆さんにも「少しでもいいから自分の体に向き合う時間を持ち、それを日々続ける」「それはいつ始めても遅いことはない」ということをお勧めしていこうと思います。元気で仕事や趣味を、生活を楽しんでいただけるように…。

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