6月3日に東京渋谷で、28日29日と愛知県の豊田市で、珍しく依頼が重なり、1ヶ月に3回も「声の道場」を開講させていただきました。それぞれ50人の定員いっぱいでした。
毎回事前のアンケートで
1. 講座を受けようと思った理由
2. 声を使う仕事や趣味の有無
3. 声に関する悩み
を伺わせていただき、目を通してから講座を始めます。
どの回のアンケートにも共通して多い悩みが
・齢とともに声が出にくくなった
・いつも聞き返される
・話していると声が涸れてて出なくなる
・大きな声、通る声が欲しい
・きれいな声を出したい
その中で一番気になったのが「声を出す」という表現が多いことでした。
「声は外に向かって押し出すのでなく、体に溜まってている息に響かせる」
「息に乗った声は感情が伝わる」
ということを解っていただかなければと、毎回決まった体験をしていただきました。
まずは姿勢を整え、腹式呼吸から始めて、ハミングでいろんな響きを体で感じてもらう、ということをします。
その後、だんだんと息に声を乗せて強く響かせ「腹からの声」を感じて大きな声との違いを分かっていただきます。
その後、私がいろんな声を高低は変えずに音質を変えて表現できることの パフォーマンス(和の発声をしている歌手の歌い出しの真似や、能の同じセリフを役柄や感情によって謡い分ける)を聞いていただき1時間半を使い切る、というのがだいたいの進め方です。
最後の20分くらいを皆さんの質問を受けて答えさせていただくことに使うのですが、受講者の皆さんの視点が毎回違うので、いろんな方向に話が広がります。
今回も面白い質問がありました。
「名古屋場所がもうすぐで観に行く予定なのですが、贔屓の力士に応援の声が届くようにするのは?」
という質問です。
「遠くに声を届けるためには、叫ぶのではなく体験していただいたように、方向を決めてお腹から息に声を載せだんだん強めて行く」
ということを改めて説明しました。
今大相撲の名古屋場所が始まって、テレビで大歓声を聞き、質問した方が贔屓の力士に声援を送られたかな、届いてるといいな、と楽しい想像をしています。
このコーナーは皆さんがどんなことに興味を持って聴いてくださったかがわかり、そのやりとりの中で、新しい発見をすることも多くあります。
これが私にとっての講座の一番の楽しみかもしれません。