花が開くように

今年はじめからの手首の治療が4ヶ月余り経った頃、だいぶ手指の力が戻ってきたので、少し強化したいと、セルフケアの中にトレーニングをプラスしようと自分でいろいろ考えました。
前からお風呂などでグーパーを繰り返したり、指を早く動かす訓練はしていたのですが、この頃気を付けている体の中から繋がるようにはできていませんでした。末端だけの動きだったような気がします。
そこで手を伸ばし体の中から意識して指先まで広げる、ということに重きを置きました。そしてこれもこの頃気をつけている「息と連動する」ことを組み合わせてみました。
片方の手を下に向けて前に伸ばします。もう一方の手で腕の中程を親指を下に五本の指を立てて握り、伸ばした手を握ったり伸ばしたりする時に動く腕の筋肉を感じるようにします。
軽く手を握った状態から口を閉じ、息を体の中に出し切るような感じで「ん〜〜ッ」と出し切るのに合わせグーッと指を開きます。腕の筋肉もグーッと固くなります。息を吐き切るとともに開ききったら、自然に息が入るのでそれを一回として、「ん~~ッ、ん~~ッ、ん〜〜ッ、ん〜〜ッ」と数を数えます。吸うことを考えずとも自然に入る息がリズムを作ります。確かに体の中から指先まで力が届く感じがします。イメージとしては何か形のあるゴム風船をペチャンコの状態から息を吹き込んでいき、中から順に膨らんで息が充満していくような…。そのたびにお腹にもグーッとくるような感じです。

初めは10回ずつワンセット。ゆっくりの息でゆっくり開ききる。手の動き指の動きがなんだか花が開くような感じがします。お腹は根っこのような…。

「花が開く」を意識すると何だか結んで開いてをしているような楽しい気分になってきました。

私は毎日片足立ちもしているのですが、ただ数を数えるのがつまらないし雑念が湧くので、この花が開くような手の運動を加えてみました。
目線を遠くに置き、片足立ちをするのと反対の手を真っ直ぐ下向きに前に出し、もう片方の手で手を開く前に腕の動く筋肉のところに指を当てて握り、数を数える時に「ん〜〜ッ、ん〜〜ッ」と手の花を開くのです。不思議なことに、ただ立っているより片足立ちが安定してきます。腕を反対の手の指でしっかり握ること、広げる指をしっかり伸ばすことを意識して数えているので頭で他のことを考えることができないのがいいのかもしれません。
それを両方の手足でするのです。初めは10回、大丈夫だったら15回、20回と増やしていきます。
手足両方に力がついて一石二鳥。
何日かしていたら腕の筋肉も、腹筋もしっかりしてきた気がします。手首を痛めて以来、腕立て伏せができないので、どちらも緩んだ気がしていたのですが、その筋力も戻ってきたようです。
この動作は前回の「鳥の羽ばたき」よりも筋肉を使うので、少しトレーニングっぽくなります。肩に力が入る方もあるかもしれません。終わった後に腕を前後に振ったり手首をブルブルブルと振ったり、「肋骨を感じ」ながらの腕肩回しと組み合わせたりするとバランスが良くなると思います。

これからは他にも能エクササイズで行なっている動作を、息と連動してするように試してみたいと思います。仕舞の動きにも、もしかしたら謡の謡い出しや出し切りの呼吸にも繋がるのではないかと思うのです。

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