この一ヶ月半、毎日「巻絹」の能のことが頭からは離れないものの、実際の稽古はなかなか思うようにはできない、という状態で迎えた本番でした。
面や装束を付けて自由に舞えたか、というとやはりそうはいきませんでした。ただいろんなミスやアクシデントをあまり表に出さずに、当日の地謡や囃子に身を任せられたかなと思います。
二回目の演能になる「巻絹」、十分には舞えませんでしたが、面も装束も型もまるで違うのもあって、新たな気持ちで取り組めました。体調が思わしくない中で地頭を勤めてくださった桜雪先生の地謡で舞わせていただいたのもありがたいことでした。
また、急なご案内をさせていただいたにも関わらず、たくさんのお客様がいらしてくださり応援してくださいました。いつもながら、その空気の中で舞える幸せを感じた感謝の舞台でした。