緑桜会30周年記念大会を無事に終了いたしました。支えてくださった先生方、会員の皆様、応援してくださった皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。
私が立ち上げました「声の道場」も今年で17年目を迎えます。
ちょうど緑桜会の15周年の記念の会の時に「声の道場」から謡を始めた人たちが羽衣の連吟で初舞台を踏みました。
その中に1人、能に縁もゆかりも無かった若い女性がいました。ちょうど私の長女と同じくらいの齢で、「声の道場」のことも、娘のmixiのお知らせで知って興味半分で参加したということでした。
それからというもの、彼女は能の魅力に取り憑かれたように熱心に稽古を重ねました。結婚し子供を二人育て、時々休みを挟みながらも、これまで頑張って稽古を続けてきました。
前々から彼女には玄人の能楽師になりたいという希望があり、私が子育てしながら玄人になった頃と同じくらいの歳になったのを機に、昨年初めに師匠の梅若桜雪先生にご相談申し上げ、師範の申請をさせていただきました。会に合わせていたわけではないのですが、奇しくも30周年の会の前に観世流師範の認定証が届きました。今度の会は彼女にとっても初舞台から15周年、合わせて大きな記念の会となったのです。
5月の梅若会定式能から梅若会所属の観世流師範として修業を始めさせていただくことになっています。
先日、師匠から
「あなたも跡に続く人ができたから、僕が伝えたことをしっかり伝えてね」
と言っていただきました。これまでも緑桜会の皆さんには師匠に教えていただいたことを、少しでもお伝えしたいとお稽古をしてきましたが、ここでもう一回ギアを入れ直し、伝承ということを考えてお稽古をしなければと思っています。
新師範となった彼女と共に私も新しいスタートです。