「能を舞うときの構えは素晴らしいけれど、どんなにいい姿勢でも長い時間同じ格好をしていて、それを緩めることをしないと返って痛めることがありますよ」
これは50歳代で私が膝を痛めた時に接骨院の先生に言われた言葉です。
「50歳を過ぎると同じ姿勢を長くしていると筋肉が固くなり元に戻りにくくなります。そのままストレッチもしないで急に動いたのが痛みの原因です」
とも。それ以来私は朝晩のストレッチを欠かさないようにして、今日に至っています。
私はこのところ、「腰を入れる」とか「背筋を伸ばす」ということばかり訴えていますが、大事なことをお伝えしていなかったなと気づき、今回補足させていただきます。
今まであまり姿勢が良くなかったり、腰を意識していなかった人が、急にその姿勢ばかり取ると、腰や首が痛くなることがあります。それは今まで使われなかった筋肉が急に使われ、ビックリしたかのように固くなり(凝り)、痛みが起こるのです。ですから、腰を入れた姿勢を長くしたら、捻りや体を丸めるようなストレッチを、顔が前に出ていた人がそれを直そうとするときは、首や肩をほぐすストレッチを、必ずセットでなさることをお勧めします。緊張と弛緩、体でも心でも上手にバランスをとりたいものです。