舞納めと舞初め

12月15日今年最後の梅若会定式能で、舞囃子「富士太鼓」を舞わせていただきました。今年の舞納めです。
二日前の申し合わせの日は何ともなかったのに、その夜から鼻風邪をひいたのか、クシャミや咳が出て夜は眠られず、定式当日まで咳が止まりませんでした。こういう状態で舞台に出ることがなかったので、どうなることかと思いましたが、どうしようもありません。覚悟を決めて舞台に上がりました。
驚いたことに咳はピタリととまり、20分ほどを舞い終えました。能の構えを崩さなければ喉が開き、咳は出ないのかもしれない、と改めて思いました。
そう言えば他の先生方でも、風邪をひいて熱がある、咳が出るというような状態で能を舞われるときもありますが、舞台で舞っていて咳が出るというような場面は見たことがありません。終演後は汗をかいたので熱も下がった、という話も…。
構えと呼吸が体に及ぼす 影響、まだまだありそうです。

謡十徳……薬なくして病を癒す……

良い構えと呼吸がいい謡に、健康な体に繫がる、自分のこれまでを考えても間違いないように思います。

来年の舞初めは恒例になっている元旦の靖国神社の奉納仕舞です。参拝にいらした通りすがりの方々がお客様です。
13:00〜13:30
仕舞 難波、羽衣、芦刈
連吟 猩々

私は最初に難波を舞わせていただきす。
吹きさらしで寒いのですが、お天気がよければ清々しくとても気持ちがいいので、お近くの方はよろしければお立ち寄りください。
他にもいろいろな芸能や武術などが奉納されます。もちろん無料です。

昨年末に手首を痛めてから1年が経ちました。当時はどうなることかと思いましたが、何人かの整体師の先生から施術と体について学び、試行錯誤しながら自己ケアができるようになりました。
年末の大人数の着付けの仕事も無事に乗りきりました。舞台に立たれる皆様が
「気持ちよく舞えた」
と笑顔で喜んでくださるのが嬉しく、とても気持ちのいい仕事納めになりました。
舞台や声の道場と共に、着付けも大好きな仕事なのです。

いいことも悪いことも、嬉しいことも悲しいことも、目まぐるしい一年でしたが、終わってみると全てに感謝したくなる、そんな年でした。

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