ニューヨークのタクシーで

タレントの渡辺直美さんがニューヨークでタクシーに乗ったときのことを話していました。
直美さんが後部座席で友人と喋っていると、運転手さんから
「お客さん、国はどちら?」
と聞かれたのだそうです。「日本です」と答えると
「全然意味はわからないんだけど、聞いていて心地よい言葉だね」
と言われたとか。

心地よい言葉……で思い出したことがあります。「声の道場2」にも書いたのですが、だいぶ前に由紀さおりさんが、海外で大ブレイクされたことがありました。レコードの曲は日本語で謡った歌ばかりだったそうです。意味がわからなくても心に染みる、歌い手の感情が聴き手に伝わる、そんな感じだったと思います。

由紀さおりさんはお姉様と二人で日本の童謡を歌われていましたが、そのときも私が感じていたことがあります。お二人ともとても素敵な歌声です。でもお姉様は「声楽」の発声でその曲を感じ、由紀さおりさんの場合は曲以上に自然な日本の言葉を感じるのです。ずっと声楽を続けていらして、「曲に言葉が乗っている」感じのお姉様に対し、しばらくはタレントや女優さんとして演技をなさって自然な日本語の話し方を身につけられたことによって、「まずは言葉が自然に語られ息に乗る」由紀さんの違いなのではないか、と思っていました。

由紀さおりさんと渡辺直美さん、どちらの事例も体に響く柔らかい日本語の響き、それが海外の人にも「心地よい」と感じられたのだと思います。また、言葉の意味はわからなくても、話す人、歌う人の心が相手に届いたのではないでしょうか。
正しい日本語の発音は口の中で子音が作られ、それが体に溜まった息に響くのです。「息に乗った声は想いが届く!」という「声の道場」でお伝えしていることは間違いない、とあらためて思いました。

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