侍JAPANのWBCでの軌跡そして優勝、本当に感激し、他のことが手につかないほど楽しませていただきました。
その後の日本記者クラブでの栗山監督の会見も、その謙虚で誠実な対応と言葉に感銘を受けました。
特に心に残ったのは、ある記者の
「このシリーズで野球をしたいという子どもたちも増えると思うし、それ以外のスポーツにおいても、これからの子どもたちを指導していく上に必要なことは?」
というような質問に対し答えられた栗山監督の言葉です。
「何かをしていくときの判断を〈できるかできないか〉ではなく〈やるかやらないか〉というふうに捉えるのが大事」
と述べられました。
「〈できるかできないか〉と考えたらそこでアウト。本人が〈やるかやらないか〉、それが始まり。できるからやるのではなく、やりたいからやる」
思えば大谷翔平選手の「二刀流」もその考えがあったからこそのスタートだったのだなと思いました。
周りが「できない、できるはずがない」という考えばかりの中、本人の持っている「やる」という意志を強力にサポートした栗山監督の凄さ、その意志をいろんな障害をものともせず、苦労を楽しみに変換しつつ邁進してきた大谷選手の素晴らしさ、その結果を、この何年かまざまざと見せていただいた気がします。
もちろんすべてのことが、やる気だけで成功するというわけではありません。けれども、最初に「できるかできないか」で判断していたら、何も始まらないと思います。
もし、途中で諦めて目標変更したとしても、その時点まで「やる」と決めて努力したならば、それまでの月日はその子にとって、とても有意義なものになるでしょう。
「できるかできないか」ではなく、「やるかやらないか」で事に向かうのは子どもたちにとって本当に大事なスタートなのだと思います。
子どもたちの成長とはまるで違う次元にいますが、私も去年「こころみの会」を催そうと考えたとき、「できるかできないか」と考えたら企画はできなかったかも、と思いました。「やる」という気持ちが会まで自分を運んでくれたように感じます。
この考え方は年齢には関係ありません。今年、緑桜会は4月29日に30周年の記念大会を催すことにしています。これまで一生懸命稽古をしていらして、会に出演なさる皆さんにも
「できるかどうか」
でなく
「やりきろう!」
の気持ちで会に臨んで、楽しんでいただけるといいな、と思っています。