イロハ再び

長くお休みしていらしたお弟子さんが、お稽古を再開されました。
お声が良すぎてどうしても体に響くよりは表に声が出てしまっていたので、構えを顎が出ないように気をつけて、大きな声でなくてもいいから、お腹からの声が体に響くようにと指導していました。だんだん良くなっていらしたところだったのですが、いろんな事情でお休みが長くなり、あまりに間が空いたので、やり直しかもしれない、と思っていました。
ところが、前よりずっと姿勢が良くなり、声も大きくはないけれど体に響くようになっていて、びっくりしました。私のお直しも直ぐに反応なさいます。
「お休みが長かったので心配していましたが、前よりずっと良くなりましたね」
と褒めると、
「勝手に謡ってまた悪い癖が出るといけないので、毎日イロハの稽古をしていました」
とのこと。
最初の頃のブログに「仰向けでイロハ」と題して書いたものがありますが、コロナの蔓延で皆さんがステイホームだった頃、お家で仰向けに寝たままお腹を鍛える方法として私が考えたものです。
その頃は私もお腹の力が抜けないように、毎日やっていましたし、お弟子さん方も謡いの稽古が出来ないので、何人もの方がトレーニングとしてなさっていたと思います。

コロナが落ち着き、対面稽古が始まったので、あまりしなくなった方が多いと思います。私も自分のお腹の力を試すために時々はやったり、新しく声の道場にいらした方にお教えしてはいましたが、他にもお腹を鍛えるいろんな方法を考え実行していたので、忘れがちになっていました。

その方はお休みになっている間、毎日イロハのトレーニングをなさっていたのです。謡を稽古なさってなかったのにお腹の力がついて、息が体に溜まるようになり、声が体に響くようになっていた。謡の声になる第一歩です。その努力に感動しました。そして「仰向けでイロハ」の効果に改めて自信が持てました。
また皆さんにもお勧めしようと思っています。

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