マスクが馴染む国

日本国内の9月から10月にかけてのコロナ患者の激減が世界を驚かせています。イギリスやロシア、アメリカでは一度下がりましたがまた増加しています。
原因はいろいろあるのかもしれませんが、ニュースの映像を見ていると、また増加しだした国ではマスクをしていない人がたくさんいます。日本では緊急事態宣言が解除されても変わらず、ほとんどの人がマスクを付けている。ワクチン接種が進んでも感染しないわけではないから、諸外国でもマスクはしていた方がいいということはわかっているはずです。それでも外したいのは相当マスクにストレスを感じているのではないかと思います。
ということは日本人はマスクをしていることにそれほどストレスを感じないのではないか。昔から日本人がマスクをかける人が多いのを外国人が不思議がるということをよく聞きました。それも感染症が流行るたびにマスクの効用が身にしみていて、それが煩わしいとあまり感じなかったからかもしれません。
数字が減ると安心して、早くマスクを取りたい人が多い国と「まだ危ないかもしれない」「もう少しマスクはしていたほうがいい」と思う人が多い日本、その差が出たのでは?と思います。
その差がどうして出るのか、その理由のひとつに言語の違いがあるのではないかと思っています。前にも何度も述べましたが、日本語の発音はあまり口を縦に使わないので、息苦しさは多少あっても話すことにはストレスを感じないのではないかと思うのです。感染が増えだした諸外国の言語は、口を縦に開けないと話し辛い。また外に向かう強い音も多い。ですから話すときに余計にマスクがストレスになるのではないでしょうか。

面白い話があります。昔手塚治虫の「鉄腕アトム」のアニメーションが初めてアメリカに渡ることになった時のこと、アニメの口元だけを変えてほしいと注文が入ったのだそうです。元のままだと、話しているように見えないということだったとか…。
現代ではどうなっているかわかりませんが、当時は自然に日本語の口元に作られていた、だからあまり口が動くようには作られなかったのでしょう。アメリカでは口を縦に開けていないと話しているようには見えなかったのではないかと思います。

今、マスクをしなければいけない状態が続く時、もしかしたら壊れかけていた日本語の本当の発音発声を取り戻すチャンスかもしれません。昔させられたように口を大きく開けて「ア、エ、イ、ウ、エ、オ、ア、オ」などとはまず強制されないでしょう。大きな口を開けることは日本語には必要ないのです。マスクをかけたままでも姿勢を正して体に響くように話すと相手に届きます。たくさんの人がそのことに気づき、姿勢に気をつける人が増えたらいいなと思います。ワークショップなどで伝え続けていくつもりです。

マスクを取って生活できるようになったときに、「体に響き、飛沫を飛ばしにくい、正しい日本語の発音」が日本語の話し方の主流になることを願っています。
マスク時代に伝わる声」これを求めれば「人に伝わる声」「心に響く声」に繋がるのでは?と考えているこの頃です。

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