野守を舞う

11月21日(日)の梅若会別会で、仕舞「野守」を舞わせていただくことになりました。
野を守る鬼神の持つ「野守の鏡」。それは人の心の内をも見通すもの。その鏡を持ち現れた鬼神は東西南北四方八方、また天上地下をも残りなく鏡に映し、力強く大地を踏み鳴らし再び奈落の底へと帰っていきます。仕舞ではこの能に欠かせない鏡を銀箔の扇で表します。
「歳を取らないとわからないこと」にも書きましたが、体が自由に動く20代で初めて舞ったときには、飛んだり跳ねたり暴れ回りました。40代で玄人になって舞ったときは、先生のお稽古で飛ぶ回数を減らすように言われドッシリということに意識を持って舞い、まるで違う感覚に「これが野守なのか…」と思わされました。「本当の強さとはただ動けることではない」と「腰」の重要性を改めて教えられた曲でした。
お弟子さんにも何度もお教えしましたが、まさか70歳を超えてまた舞う機会をいただくとは思いもよりませんでした。
どんな「野守」になりますか、心配のような楽しみのような…。頑張り過ぎないようにしっかり稽古をして勤めたいと思います。
当日の能、川口晃平師の「弱法師」と角当直隆師の「松山天狗」どちらも見ごたえのある曲目です。詳しくは「公演・イベント情報」をご覧ください。

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