11月、今シーズンMLBで大活躍した大谷翔平選手が帰国して、初めての記者会見があり、マスコミからのたくさんの質問がありました。ひとつひとつの質問に対して丁寧に答えていく、その内容を聞いて改めて彼の人間力に感服しました。
その中でも特に私の心に残った答えが二つありました。
一つは、「落ち込むことがあるか」という問いに対して
「打てなかったり、打たれたり、勝てなかったり、もちろん落ち込むことはあります。でも良かったり悪かったりがある、ということ自体好きなことをさせてもらってるからの事なので、それを含んで今年はいい一年だったと思います」
これは私もそうですが、本当に自分が好きなことを仕事にさせてもらってる人にとっては「前に進める力」になる考え方だと思います。「苦しい時があるから乗り越える喜びがある」それが好きなことを仕事にしている人の醍醐味かもしれません。
もう一つは「どういうときが楽しいか」というような質問だったと思いますが
「なんでもないとき、例えば、寝ているときなどにふっと閃くことがあって、それを翌日試してみよう、とか思うときは楽しいですね」
これもすごくよくわかります。まるで次元は違いますが、お稽古やワークショップなどで、なかなかうまくいかない人たちに「どういう教え方をしたら体に感じてもらえるかな」などと思っているとき、本当になんでもないときフッと「こうしたらどうだろう」などと閃くことがあり、それを自分で試したり、お稽古でお弟子さん相手に試したり、うまくいったら「してやったり!」これは結構楽しいのです。そして「閃きを試してみること」は自分の考えの引き出しを増やすことでもあるのです。私の場合、「閃き」から増えた引き出しは「声の道場」に悩みを持っていらっしゃる方の対処や、お弟子さんそれぞれに合う対応の仕方などに、とても役に立ちました。
大谷選手の場合、常に野球のことを考えているから、閃くのであるし、それが楽しいのだと思います。衣食住全てが野球に繋がる。他に欲しい物はない状態なのでしょう。
「今のところ消費もあまりしないので貯まる一方だ」
とも言っていました。
「閃くのが楽しい」
いいな、と思います。
その閃きが大谷選手をもっともっと進化させ、これからもずっと私達を楽しませてくれるに違いありません。