やっぱり正座が一番楽

腰を痛めてどういう体勢でいても辛い、そういう日々が続いたときも、やっぱり「正座」は私にとって基本の形でした。「イタタタタ」といいながらもどうにか「正座」に持ってくる。まずはそこで痛みは止まります。それからいつものように腰を真っ直ぐ上に持ち上げ片足を出し静かに重心を乗せ軸が動かないように腰を持ち上げると痛くなく立ち上がれるのです。いつもは腰で体を持ち上げますが、腰に負担が行かないよう全身でゆっくり持ち上げるという感じです。それから一足ずつ重心を乗せながらゆっくり歩く、「能エクササイズ」で皆さんに「すり足」をお教えするときと同じです。座るときも一足引いて軸に添ってゆっくり重心を沈めて「正座」に戻れば痛みはなく、立ち居はどうにかできました。


それまでに毎日鍛えていた足の筋力があったこともあり、「能エクササイズ」での「正座から立ち居へ」「立ち居から正座へ」を皆さんに繰り返しお教えしていたことが役に立ったのだと思います。


横になっていて体を起こすのも痛くてままなりませんでしたが、どうにか少しでも痛くないところを探しつつ、正座まで持ってくるとホッとしました。しばらくはそのままで大丈夫です。立ち上がってゆっくりですが移動もできます。骨盤ベルトをつけ台所仕事をし、疲れると一度「正座」をする。そこから痛まないところを探して横になり暫く体を休ませる。その体制が疲れてくると「正座」へ、そしてまた立ち上がりゆっくり動く、の繰り返しを続けていました。接骨院や鍼灸院での治療のおかげもあり、寝返りや体勢の変化も日が経つに連れだんだん上手にできるようになってきて、だいぶ動けるようになってきました。それでもまずは「正座」から動くことが私にとって一番楽でした。安全でもあるし、トレーニングを禁止されていた私にとって、そのときできる唯一の筋トレでもありました。


椅子の場合も柔らかい椅子に座らない、深く座らない、前に重心をかけ上半身を正座と同じように保つ。そして腰と体をゆっくり一緒に持ち上げるように立つ。それによって痛みなく立ち居ができました。

転んでから3週間が経ち、腰に重さはあるものの、ほぼ日常生活には支障がなくなりました。ストレッチも解禁になり、ウォーキングも許可が出ました。鍼の先生に

「筋トレはまだだめですよね?」

と伺ったら

「治ったらバンバンできるんだから、焦らずにもう少し我慢しなさい」

と言われました。しばらくは腰に負担なく足の筋トレになる「正座からの立ち居」とそれからの「すり足」の繰り返しで我慢しようと思います。

普段からこの「正座からの立ち居」「椅子からの立ち居」「すり足」を訓練することによって、今回の私のように腰を痛めたり、ぎっくり腰になったりしたとき、その動作が役に立つかもしれません。「能エクササイズ」の効用を身を持って体験したので、これからもなるべく多くの人にお伝えしたいと思います。

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