昨年末は例年よりも事が多く、家事にもしわ寄せが来て、働きすぎた感があります。そのせいか左手首が思うように動かなくなりました。台所での動作を含み家事労働はこんなに手首を使っていたのかと、今更のように思わされた、痛みをこらえての年末年始でした。
そのまま正月の予定をこなしつつ、いい手首の治療法がないかを検索していた所、ある「手首を主体に診てくださる診療室」を見つけました。
対処療法で治すのではなく、痛みに繋がる筋肉を確定し、自分でケアする方法を教えてくださるというのです。ボルダリングの競技選手なども通われて「手首が復活した」という感想もあったようです。
私はこれまでも腰や膝を痛めたこともありますが、痛む所を使わずに薬や湿布などで痛みを取るという治療は求めてなく、痛くても使いながら自分で対処できるようになるのを理想としてきました。そういう考え方の先生を探し、治し方を教えていただきつつ、少しは痛くても使いながら治してきました。
そのおかげで、自分の身体のことが少しずつわかり、ストレッチやトレーニングに繋がり、体力が増進してきたように思っています。
そういう中、一番信頼していた鍼灸の先生が一昨年の夏に亡くなり、今回の手首も「その先生がいらしたら…」と思っていた所だったので、その診療室のブログなどを読みながら、「自己ケア」というのが私の感覚に合うような気がして「行ってみよう!」と思ったのでした。
治療院には珍しく、明けて4日には診療が始まるとのこと、私が唯一空いている日だったので、前日に早速予約を入れることができました。
思ったより若い先生で、ご自分自身が学生時代にテニスやバドミントンをなさっていて手首を痛め、治療を重ねる中で独自の治療法を見つけられ、競技者側から治療側へ転身なさったのだとか。
言われたとおりに手を握ったり緩めたり、反対の手で位置を変えながら手首から腕のポイントを押さえたり離したり。表に痛みとして出る前の筋肉との繋がり、それを一つずつ解きあかす、とでもいうのでしょうか…。指先の小さな動きが手首で交差して奥のたくさんの筋肉の中のどこに繋がっているかを、治療してもらう側に自分で感じるように指導なさいます。
腕の筋肉の図録も見せていただき、細い腕の中にそれぞれの指先から体に繋がるたくさんの細い筋肉……なんとなくは感じていましたが、あまり意識したことはありませんでした。日常で一番頻繁に複雑な使い方をしているというのに…。
「治療する側が治っていると言っても、本人に痛みがあれば治ってない。あくまでも治療される側の感覚が大切」
「自分で納得がいけば、次は自分でケアできるようになる」
などなど、私の感覚にピッタリでした。
とはいえあまりの繋がりの繁雑さにそう簡単にはいかなそうです。
競技をする選手は、使うところが特化されますが、私の場合は手の使い方の種類が多く、いろんな痛みが重なっているから一つずつ見つけては対処していかなくてはいけないということのようです。
娘と同じ世代の若い先生に
「お年を召した方も治療にみえますか?」
とお尋ねしたら
「今やっていることを長く続けたい、という方がよく見えますよ」
と…。
前向きな方が集まるところのようです。長くかかるかもしれませんが、この治療法に挑戦して、手首のことをもっと知ろうと心に決めました。
思い出してみれば、亡くなった鍼灸の先生に膝を治していただいたときも、鍼治療とストレッチと組み合わせての治療、半年以上かかりました。簡単に治らないけれど、治ったらそのあとは自分である程度ケアできるようになる、やっぱりそんな治療でした。手首もまだ治療を始めたばかり。これからです。
こらから頑張ろうと思っていたのに、その週から体調を崩し高熱を出しインフルエンザと診断されました。思ったより長引いて2週間、やっと日常に戻ろうとしたら今度は手首に今までと違う腫れが…。これまでの痛みと違うような気がしていろいろ調べたらリウマチに行き当たりました。遺伝的な要素があるということで、私の家系にも何人か心当たりがあったので少し心配になりました。手首のケアをするにも、その心配があったら前に進めません。リウマチ科のあるクリニックで血液検査をしてもらうことにしました。
1週間後、「リウマチ全く問題なし。使いすぎによる親指の関節炎。注射や薬を使う場合もあるけど、あなたの場合は親指のストレッチをしっかりして様子を見てください」との診断でした。すぐに対処療法を勧める先生でなくてホッとしました。
1ヶ月ほど足止めされてしまいましたが、リウマチではないことがわかり安心できたので、これからはまた手首のことを知る治療、自己ケアに向き合いたいと思っています。