昔から修業を重ねる時や仕事を覚え始めた時の教えに「習うより慣れよ」ということをよく言います。これは何かを身に付けたいことが見つかったとき「人や本に理屈で教えてもらうより、自分で体験を重ねることのほうが身に付く」ということ […]
腹話術と息
文春オンラインで腹話術のいっこく堂さんへのインタビューが取り上げられていました。その中で、口の動きと声がずれる技術や、腹話術では難しいと思われる破裂音をいとも簡単に使える技術について質問され、どのように訓練したかを述べ、 […]
閑心遠目
「心を長閑にもって遠くを見る」世阿弥が「二曲三体人形図」の中で述べている、老人を演ずるときの教えです。能はひとりの役者が曲によって、男性、女性、若者、老人、すべての役を演じるので、言いかえればあらゆる役の物まねをするとい […]
楽の代償
このごろ「世の中の便利になる速度について行けないな」と思うことがよくあります。その恩恵に助けられているところも勿論ありますが、なんだか「楽」をすることで人間の感覚の緻密さを取られていく気がしてしまうのは私だけでしょうか… […]
家光のスピーチ
以前「英国王のスピーチ」という映画がありました。吃音に悩まされたイギリス王ジョージ6世が、言語療法士の助けを借りて障害を克服、国民を勇気づける見事なスピーチを披露して人心を得るまでを描いた映画です。映画を見たわけではない […]
体と声の関係3
「声の道場」を始めて暫くして、「和のボイストレーニング」というのが珍しかったのか、ネーミングが面白かったのか、新聞に取材を受け掲載されたり、ラジオ番組に呼ばれてお話ししたりすることがありました。東京で定期的に開いていた道 […]
体と声の関係2
「和の発声」をお教えする場として立ち上げた「声の道場」でしたが、思いもかけず、日常の自分の声に悩みを持つ方が多くおみえになります。 随分前に「腹式呼吸はできるのに声が響かない」という方がみえました。「ヨガを教えているが、 […]
体と声の関係
北京オリンピックでのスピードスケートの高木美帆選手の活躍、本当に凄かったですね。その後の世界選手権でも大活躍です。彼女のインタビューでの落ち着いた態度や言葉、自然な声、とても好感が持てます。 今から12年前、高木美帆選手 […]
やっぱり正座が一番楽
腰を痛めてどういう体勢でいても辛い、そういう日々が続いたときも、やっぱり「正座」は私にとって基本の形でした。「イタタタタ」といいながらもどうにか「正座」に持ってくる。まずはそこで痛みは止まります。それからいつものように腰 […]
転んでもただでは起きない
例年通り靖国神社で奉納の仕舞で2022年が始まり、7日の朝は謡初めと初会の申し合わせのために東中野の梅若能楽学院会館へ向かっていました。前日からの雪がアイスバーンになっていて、歩き慣れた道なのに、少しの坂に足を滑らせお尻 […]