前にブログにあげた「お転婆娘」でわかるように、私はスポーツが大好きです。
オリンピック・パラリンピック期間も本当にいろんな競技を楽しみ、感動の連続でした。
今もエンゼルスの大谷翔平選手の活躍を毎日チェックしています。ちょうど大谷選手が日本ハムファイターズに入団して、二刀流で活躍はじめた頃からずっと見ていて、選手としての活躍はもとより、野球以外の人間としての魅力もすごく感じていました。
ちょうどメジャーデビューが決まった頃、「声の道場3〜人間力を取り戻そう〜」の原稿を書いていた私は大谷選手についても書かせてもらいました。「体と心のバランス」について述べている項で、彼が高校のときに作った目標達成シートに着目し載せたのですが、野球の目標とともに人間としての成長のための項目がいくつもあり、こういう指導をされた監督やこういう考えをする子を育てられたご両親は素晴らしいと思いました。
どんなに勉強ができても、運動ができても、そして仕事ができるおとなになっても、まずは人としての魅力が一番だと思います。
「体を鍛え技術を磨き心を育てる…体・技・心」
その大切さを書きたかったのでした。
そして目標通りドラフト1位の指名を受け、2013年プロ野球選手となり、誰も目指せないと思っていた投打二刀流を成功させ、日本での成果を持って2018年大リーグへの道へ進みました。
最初の年は周りから二刀流に対しての懸念を言われながらもどこ吹く風で活躍しました。けれども後半は肘や膝などを痛めて休むことが多く、その後も怪我や手術で試合に出られない時期を過ごすことになります。その間の2年はコロナ流行とも重なり、あまりマスコミに騒がれませんでした。その時期を経て今年、久しぶりにテレビで目にしたグラウンドの大谷翔平選手は別人のように逞しく変わっていました。食事改善にも取り組んだと聞きますが、想像を絶するリハビリ、トレーニングを続けていたのではないでしょうか…。
今年2021年は公式戦が始まると同時に、驚くほどの活躍で世界に名を轟かせています。成績は語るに及ばず、どんなに活躍しても騒がれても、浮足立つことも尊大になることもなく、周りに流されず、相手を思いやり、相変わらず自然体で…。
野球以外の彼にとっての当たり前なその一挙手一投足が報道されることも、本人は気にもしていないかもしれません。けれどもたくさんの子供や、もしかしたらおとなにも、人間としての大事なことを教えてくれるのではないかと思います。
私は「声の道場」3冊の中で、テレビや雑誌、新聞などから、あらゆる分野で私の心のアンテナに掛かるできごとや人の名前を取り上げて、いろんな例として使わせていただいています。もしその事例やその人が、その時限りであったなら、この先何年も経って読んでくださる方があったとしても「そんなことがあったのか」「そんな人がいたのか」で終わってしまうことでしょう。
大谷選手にしても注目されていたとはいえ、私が原稿を書いていたその当時は野球に興味のない人はそれほど知らなかったでしょうし、それからの活躍がなければ同じことだったと思います。
ところが今や毎日のようにニュースで騒がれ、この1年のうちにいくつもの記録を塗り替え、「野球は知らなくても大谷翔平選手は知ってる!」という存在になってきました。ベーブ・ルースが100年経っても語られるように、それを超えたといわれる大谷翔平の名は語り継がれることでしょう。
となると、私の書いた2、3ページの文章も、先で読んだ方が「あっ!大谷翔平のことが書いてある!」ということもあるのかな、と嬉しい気持ちになってきます。
大谷翔平選手、シーズン終盤に来て疲れが溜まってきたのか、活躍のペースは落ちてきていますが、人間ですから浮き沈みはあります。またきっと盛り返してくれるでしょう。これからも応援していきたいと思います。先で選手でなくなってからもその人間力での活躍は楽しみです。
能楽界にもそんな新星が現れてくれないかなぁ…。