知識→意識→無意識

欧州のサッカーチームで活躍し、全日本のメンバーにも選ばれた古橋亨梧選手がインタビューを受けていました。
彼が大事にしている言葉が、
「知識、意識、無意識」
だそうです。
サッカーをやっていく上で高校の頃に先生から言われたことだそうですが、
「まずは知識を頭に入れ、練習の時はいつもそれを意識して意識して、無意識で出来るようになるまで意識する」
ということです。

なんでも同じだな、と思いました。

声の道場で声の悩みを持つ方に対応していて、最初に直してあげるのは姿勢です。
体に声が響かずなかなか相手に届かなかったり、表に声が出てしまい、喉を痛めたり、うるさい声になったりという悩みにはまずは顎を引き顔が前に出ないようにすることを勧めます。
それは正しい姿勢を保つということになるのですが、その場で直して声が変わるので理屈ではわかっていただけるのですが、日常で常に気をつけていないと簡単には直りません。
これまで姿勢が悪かった方は、背筋を伸ばしたり、首筋を伸ばしたりするための筋肉をあまり使っていなかったということですから、相当意識しないと良い姿勢を長く保つことができません。また、これまで使わないできた筋肉をつかうので、肩が凝ったり、腰が痛くなったりして、諦めてしまわれる方が多いのです。
そこで痛みが出るのは使われなかった筋肉が使われて筋肉痛になっているのだから、毎日ストレッチをして使った筋肉をほぐさなくてはいけないと補足します。
まずは「姿勢が声と繋がっている」という知識を得たら、良い姿勢をいつも意識すること(そのためのストレッチも忘れずに)、「長く意識し続ける」ことで無意識でも姿勢が保てるようになれば、姿勢が良くなったことで声も響くようになる。
この経過は
「知識→意識→無意識」
ということなのです。

昔から日本の武道や芸道では「守破離」ということが言われていました。

まずは知識を頭に入れながら先人先輩の真似を重ねる。真似ながら、無意識でもできるようになるまで意識し続ける(守)→それに加えて自分の工夫挑戦をしていく(破)→またその意識からも離れ無意識となる(離)
ということでしょうか。

「知識→意識→無意識」
そんなに難しいことでなくても、日常においても自分の癖や悪いところを直そうと思ったら、この言葉を思い出して努力できたらいいなと思います。

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