自分の座り方にフィットする座枕(商品としては枕)を見つけました。
前に能の地謡の代役をいただいた折、1時間半の正座に不安があり、初めて舞台で座椅子代わりの布団を作って試してみました。なかなかうまく収まらず、脹脛がつったりして、膝の痛さ以上に大変な思いをしました。
楽屋でその話をしていたら、あるお囃子の先生が
「痛い時に無理したらひどくなるよ。自分もいろいろ試してみてるけど、蕎麦殻の物が一番いいよ」
と教えてくださいました。
蕎麦殻の枕を探しましたが、市販の物は目立たないようにお尻に敷くには大きすぎます。なかなか巡り会えずスマホで「蕎麦殻枕小さい」で検索してみました。
すると山形の町興しの一環で、産地のものを販売しているサイトにめぐり逢いました。サイズもピッタリ、直ぐに取り寄せました。
とてもいい感じでフィットします。長い時間のときも当たりを変えることで対応出来そうな気がします。柄がかなり派手なので、黒いカバーをつけて目立たないようにしました。
早速座り方をいろいろ試してみて、能の地謡のお役を頂いた12月の定式能で「my座枕」デビューを果たしました。何度か足を組み換えはしたものの、1時間10分あまりをどうにか能に集中して座り切ることができました。
謡を謡う構えを決める正座を舞台で続けるためのこれからの必需品「my座枕」がやっと見つかりました。
今年も残りあと僅かです。面装束をつけて能を舞うこと、大きな催しを開催することを今年で納めることにし、楠森堂の会も終わりました。また大きな節目の年を迎えます。来年からは、舞囃子・仕舞で表現すること、謡の発声を突き詰めること、そしてそれを伝え繋げることを目標にし、それが周りの人に健康をもたらしていくような生き方をしていきたいと思っています。