便利な時代の不便

昨年11月で最後になった楠森堂の会、とてもいい会になり、皆さんにも喜んでいただけました。
この会は毎回、東京からの皆さんと、前後に予定を組んでツアーのような感じだったのですが、さながら私はツアーコンダクター。
コロナ前は私の主人の実家がある阿蘇を周ってうきはに入ったり、うきは周りの名所や食事を楽しんだり、前に企画準備をしていました。
コロナ後すぐは大勢の宴会はひかえて、泊まる場所を分散し現地集合とツアー縮小でした。
今年は前日同じところに泊まる人、当日来る人、前の晩に福岡まで入る人、それぞれでしたか、それでも10人ほど一緒に泊まりました。
会翌日は恒例で、道の駅、当地の果物を使ったジェラート屋さん、お寺での精進料理昼食、そして福岡空港から帰途につきました。
幸い大きなアクシデントもなく、無事に帰り着いたのですが、今回一番大変だったのはタクシー予約でした。
人数が多いので小型だと3台、ジャンボタクシーだと9人しか乗れないので、小型ももう1台いります。秋の観光シーズンと重なって、前日予約しようとしたのですが、それがなかなか難しいのです。
「車はあるけれど運転する人が足りなくて…」
ということで複数台予約ができない…。。最後の日などは別々の会社からジャンボタクシーと小型タクシーを1台ずつ予約して、ようやく事なきを得ました。
コロナのときに運転手さんの人員を減らしたのが、現在戻そうとしても集まらないのだとか…。
また、昔よりマイカーが普及したため、観光以外のタクシー需要が減っていて、あまり人員を増やしても利益が出ないということもあるようでした。

私の実家も昔は自家用車がなかったので、何かというとタクシーのお世話になっていました。今は催しなどがないとタクシーを呼ぶことはありません。タクシー会社も混むときに急遽台数を増やす、ということがままならないのでしょう。納得はいきました。

バスやトラック運転手さんも不足していると聞きますが、タクシー業界もそうなのだということを実感しました。

そういえば東京でですが、タクシーで別の経験も…。
だいぶ前のことになりますが、荷物を持って着物で移動する時に雨が降ってきました。時間に追われてもいたのでタクシーに乗ろうと思いましたが、空車が来ません。来る車来る車「迎車」の表示。いろんな人がアプリを使ってタクシーを頼んでいるのでしょう。アナログ人間の私も、頑張ってアプローチしてみますが、なかなかうまくいきません。やっと繫がっても「只今近くにおりません」…。
仕方がなく「近くの駅まで濡れても行くよりないか」と歩き出した時に空車が……。
「地獄で仏」とはこのことか、という気持ちでした。
それからというもの、駅のタクシー乗り場が気になるようになりました。お天気のいい時は何台もタクシーが並んでいるのに雨の時はまるで来ない、という情景をよく見かけます。
もちろん以前も雨の日はタクシーに乗りたい人が乗り場に多く並んでいましたが、全然来ないということはありませんでした。少し待っていれば乗ることができました。 
でもこの頃は、タクシーに一番乗りたい雨の日に全くというほどタクシー乗り場にタクシーが来ないのです。並んでいるのはお年寄りばかり…。中には体調の悪い方もあるのではないでしょうか。

この状態が起こるようになったのは、タクシーの運転手さん不足により、全体数が減っているというのもあるかもしれませんが、前に「迎車」を見続けた経験から、流れているタクシー自体が、雨の日など需要が増えると、迎えにも料金が発生して効率の良い、アプリからの迎車に行ってしまうのではないだろうか、と思いあたりました。

タクシーに乗るのも簡単ではない時代になってきました。
雨の日や寒い日のタクシー待ち、お年寄りが多い現代のIT弱者の為に、なにか考えてほしいなと思うこの頃です。

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