「仕舞は能のデッサン」とよく言われます。私も「能と日本画」で能と絵画の繋がりを取り上げていますが、絵画において、まず形を的確に捉えるデッサンの修練は、能においてはその芯を形造る仕舞の稽古に当たると思います。 若い頃、いろ […]
「見る」と「見える」
銀行に行って、ATMが混んで並んでいるとき、その台数が多く横に長いと次に空いたところに気づかず、係の人から教えてもらうことがあります。それで特に困るわけではないのですが、この頃私はどうしたら自分ですぐに空いた場所がわかる […]
抜き足、差し足、忍び足
-能エクササイズ実践 2- 「和の構え」に続き、2回目は「すり足」の稽古に入る前に、片足にしっかり重心を乗せることを体感するための稽古からです。「片足立ちの効用」の回でも述べましたが、この稽古だけでも十分健康維持に役立つ […]
和の構え
-能エクササイズ実践 1- 能において「すり足」は基本中の基本です(すり足とずり足参照)。仕舞のときももちろんお教えするのですが、どうしても型や順序に気を取られ、おざなりになってしまいます。そこで仕舞に関係なく健康のため […]
わからなさを面白がる
朝日新聞の朝刊に、毎日「折々のことば」というエッセイがあります。時々私のアンテナにピッと来るものがあるのですが、ある時「わからなさを面白がる」という文に目が止まりました。 玄田有史さんの「希望のつくり方」という本からの言 […]
体をイメージする
ヨガなどで「○○のポーズ」などといって、自分の体を何かにイメージしていろんなポーズを取ることで、体を整えることがあります。私も一度だけ体験させていただいたのですが、横たわったり座ったりしてのポーズは思ったよりできました。 […]
ハミングでのチューニング
ハミングといえば、軽く鼻に響かせるものと誰もが思っています。けれども「声の道場」では、ハミングを使って「体が楽器」だということをお教えしています。この稽古法は私にとっても驚きの発見でした。 「声の道場 3」にも詳細は書い […]
「いい声」の落とし穴
「歳をとらないとわからないこと」の回で、舞において「動けるということが邪魔をしていた」と書いたのですが、謡についても同じ事が言えると思います。「いい声が邪魔をする」ということもあるようです。 「いい声だ」と褒められ期待さ […]
歳をとらないとわからないこと
20代後半で「山姥」の舞囃子をさせていただいたことがあります。最後のお稽古の時に先生が「これ以上どっしりするには体重を増やすしかないのかなぁ」と冗談のようにおっしゃいました。修羅物や龍神の仕舞ではそう言われたことは無かっ […]
片足立ちの効用
「すり足とずり足」の回で述べましたが、「能は重心の移動の芸術」と言われるように、能楽師には安定した構えで重心を移動する「すり足」での運びが不可欠です。能はその動きと深い息遣いの謡で舞台が作り出されて行きます。そのため常日 […]