ハミングといえば、軽く鼻に響かせるものと誰もが思っています。けれども「声の道場」では、ハミングを使って「体が楽器」だということをお教えしています。この稽古法は私にとっても驚きの発見でした。 「声の道場 3」にも詳細は書い […]
「いい声」の落とし穴
「歳をとらないとわからないこと」の回で、舞において「動けるということが邪魔をしていた」と書いたのですが、謡についても同じ事が言えると思います。「いい声が邪魔をする」ということもあるようです。 「いい声だ」と褒められ期待さ […]
歳をとらないとわからないこと
20代後半で「山姥」の舞囃子をさせていただいたことがあります。最後のお稽古の時に先生が「これ以上どっしりするには体重を増やすしかないのかなぁ」と冗談のようにおっしゃいました。修羅物や龍神の仕舞ではそう言われたことは無かっ […]
片足立ちの効用
「すり足とずり足」の回で述べましたが、「能は重心の移動の芸術」と言われるように、能楽師には安定した構えで重心を移動する「すり足」での運びが不可欠です。能はその動きと深い息遣いの謡で舞台が作り出されて行きます。そのため常日 […]
能エクササイズ
私は今から14年前に、和の発声を体験していただくために、謡の稽古とは別に「声の道場」を始めました。そして2年前、今度は健康のために仕舞の稽古とは別に、能の体の使い方を体験していただく「能エクササイズ」を始めました。 能が […]
サントリーホール
師匠(梅若 実師)の作られた新作能は数多くありますが、中でも「空海」は幾度となく再演され、好評を博しています。能楽堂以外の海外や国内のホールでの上演も多く、初演当時は時々楽屋の手伝いに伺わせていただいていました。 初めて […]
笛の息と謡の息
「謡は腹の力で体に溜めた息を遣って謡うものだ」と頭でわかってきたとき、いい稽古方法を思いつきました。 能の笛が大好きで田中一次先生に憧れ、必死で真似していた頃です。笛も体に溜めた息を歌口に当てて音を出し、その当て方によっ […]
どうしたら謡の声に?
謡を稽古し始め、「橋弁慶」や「土蜘」など知っている話も多く、戦う場面も多かったので、ただ目一杯大きな声で謡っていました。「羽衣」や「紅葉狩」など弱吟の節が少しわかってくると面白くなり、つい何かしながら謡ったりすることもあ […]
ついに謡へ
囃子の面白さに惹かれてだんだん能の世界に入り込んだ私は、最初の2年くらいで小鼓・仕舞・笛を習い始めました。やはり家が稽古場になっていたので始めた仕舞は、先生が早くから修羅物のような動きのある物をさせてくださったので、すぐ […]
真似るということ
体で何か習得するということは、まずは「真似」に始まると思います。 赤ちゃんが言葉を覚えるのも、まずは自分の相手をしてくれる人の口の動きの真似からです。最初の言葉が自然音のアーに簡単な開け閉めをするだけのp、m、bの子音が […]