今回、能楽タイムズの対談をきっかけに「こころみの会」を振り返った時、毎回の番組の挨拶文に自分の能に対する思いが詰まっていることに、改めて気づきました。忘れかけていたその思いを大事にしたいと、10回分まとめてブログに残して […]
こころみの会
能楽書林から発行されている「能楽タイムズ」の7月号で「異色の女性能楽師」というタイトルで小田幸子先生と対談をさせていただきました。その折、以前に私が主催した「こころみの会」のことを聞いてくださるというので、開催した10回 […]
画事入門
私はよく能と日本画の繋がりのことをブログに取り上げています。 ある展覧会で「菊慈童」の絵に惹かれたものの、その作者である梶田半古のことをよく知らなかったことから、いろいろ調べていたときに、奥村土牛の弟子であった方の文章に […]
橋掛かり
前回「柱が作る三間四方」という題で、能舞台のことを書きましたが、その舞台の広がりに無くてはならない「橋掛かり」について述べたいと思います。 「橋掛かり」は揚幕から舞台まで、能楽堂によって多少の違いはあれ、ほぼ丁度いい長さ […]
柱が作る三間四方
だいぶ前に私の主宰する「こころみの会」で山本東次郎先生にお願いして杉並能楽堂で「東西迷(どちはぐれ)」という一人狂言をしていただいたことがあります。 ある山寺に一人で住む出家が、懇意にしている檀家の毎月の供養の日に、千僧 […]
父の色紋付
私が能の囃子や謡や仕舞の稽古を始めたのは、両親の影響ですが、大学を卒業して福岡の実家に戻った時は、父は素人ながら師範の資格を持ち、何人もお弟子さんを教えていました。それまで私が見た父は自分自身のことには何も欲がないように […]
動中の静
私が中学生の頃、家には自分の部屋というものはありませんでした。古い日本家屋ですから部屋数はあっても襖で仕切られているだけで、ひとりで籠もって勉強をするという感じではなかったのです。私が「うるさくて勉強できない」と言うと、 […]
母の口ぐせ
朝から事が多く、とても忙しい日に、家に帰って休むまもなく台所に立ち、夕食の支度をして食事が終わり「ハーッ」と一息つくことがあります。そんなとき思い出すのが母の口ぐせ「ドンドーンとなった」です。母はこの感じを他の言葉には言 […]
人の心を種として
私は小さい頃、母からなにかのたびに短歌や俳句を聞いて育ちました。母の歌だと思っていた私は、大きくなってから母も女学校時代の先生や祖母から聞いた歌だと知り作者を調べました。 私がしなければいけないことを「明日やる!」と言う […]
能と日本画4
上村松園は美人画で有名ですが、その絵には美しいだけでなく、凛とした強さと品格があり、特に女性のファンが多いように思います。もちろん私も大好きです。能に題材を取ったものも多く描かれています。 ある展覧会で「花がたみ」を観た […]