入学式や入社式などの祝辞などでよく「初心忘るべからず」と言う言葉を使われることがあります。この言葉は「風姿花伝」の中で世阿弥が述べているのですが、普通に思っているのとは少しニュアンスが違います。それは私が能を始めた頃「風 […]
「天鼓」と「藤戸」
6月19日(日)の梅流会にて、仕舞「天鼓」を舞わせていただきます。 「天鼓」は演能の機会を二度いただきました。その時のエピソードなのですが、ある先生から「女性が演じるときは、前シテを父親でなくて母親にしたらどう?」と言わ […]
間狂言
私が能を観始めたのは大学を卒業して福岡の実家に帰ってからでした。最初の頃、何もわからないながら能を観て不思議に感じたのは前場と後場の間の狂言の語りでした。前場でのシテとワキの話で、だいたいわかったている内容を、繰り返し語 […]
こころみの会をもう一度
「こころみの会」を休んでから今年で10年になります。前向きの一時的休止でしたが、「声の道場」や「能エクサイズ」で能が健康に繋がるということを伝えたいということに気持ちが向いていて、会の企画が前のように溢れてこなくなってい […]
あの時の男の子
能楽師になって初めの頃、小学校に通っている娘が言いました。「ママ、学校の友達みんな能って何か知らないんだよ」子供たちは私の舞台を観に来たこともあり、私の実家には敷舞台があり、扇や写真もたくさんあったので、みんなが能を知ら […]
危機を節目に 3
40代半ばと50代半ばに「能が舞えなくなるかも」と思うような出来事があり、それを乗り越え良い節目になったことをブログの中で前に述べました。今回のお正月転倒事故は私にとってその2回に次ぐ危機でした。 まだ腰に違和感が残ると […]
危機を節目に 2
50代半ば、14.5年ぶりで主人とボウリングに行ったときのことです。学生時代ボウリングクラブに所属していて、全国大会にも出場していた私は、昔通りのイメージでゲームをしました。思ったよりスムーズに投げることができ、得点は1 […]
ダブル鬘?
前回の「危機を節目に」で述べた、46歳のときに脳動脈瘤をクリップで留める手術を受けてすぐの頃の話です。 退院して2週間あまり…髪の毛を全部剃っての手術でしたからまだ1センチぐらいしか髪が伸びていなくて、外出時は鬘を付けて […]
危機を節目に!
40歳で能楽師になって34年になります。その中で「もう能ができないかもしれない」と思ったことが三度ありました。 最初は46歳のときでした。猛暑の夏、突如経験したことのないような頭痛に襲われました。冷やしても薬を飲んでも治 […]
命の恩人の鞄
20年ほど前、一度だけヨーロッパ公演のお手伝いに同行させていただいたことがあります。その折アムステルダムで連れて行っていただいたお店で、ある先生に「袴を入れるのにとても使いやすい」と教えていただいた製図鞄を買いました。軽 […]