囃子の面白さに惹かれてだんだん能の世界に入り込んだ私は、最初の2年くらいで小鼓・仕舞・笛を習い始めました。やはり家が稽古場になっていたので始めた仕舞は、先生が早くから修羅物のような動きのある物をさせてくださったので、すぐ […]
怖い物知らず
囃子の稽古に夢中になり始めていた頃、私は自分がお習いしている先生や憧れている先生のこと以外は能のことをほとんど知りませんでした。自分の稽古している梅若が観世流の一派だということもあまりよくわかっていませんでしたし、まして […]
真似るということ
体で何か習得するということは、まずは「真似」に始まると思います。 赤ちゃんが言葉を覚えるのも、まずは自分の相手をしてくれる人の口の動きの真似からです。最初の言葉が自然音のアーに簡単な開け閉めをするだけのp、m、bの子音が […]
金春惣右衛門先生
太鼓の手ほどきは津田美代子先生にしていただきました。津田先生は柿原崇志先生の奥様のお母様です。当時はまだ素人でいらしたのですが、金春惣右衛門先生の高弟でとてもお上手な方でした。月に一度しか福岡にお稽古にいらっしゃれない金 […]
田中一次先生
最初に笛を教えていただいた鈴木先生から「自分は指ツケだけ教えるけど、あとは田中先生の真似をしなさい」と言われ観に行った能の舞台で、私は田中一次先生の笛の音色に魅了されてしまいました。 飄々としたお姿からは想像できない力 […]
小鼓から笛へ
掛け声の珍しさと、なかなか音が出ないという魅力にはまって小鼓の稽古を始めた私でしたが、そのうちに母に勧められて仕舞も始めました。これも「声を出さないで済む」と思ったからです。あとでシテ謡を謡わなくてはいけないことに気づく […]
マスクでの稽古
「息の中にて文字を言い放つべし」の中で、マスクをして謡う稽古は、姿勢をチェックするのに有用だと述べました。 コロナがなかなか収まらず、マスクが手に入りにくい時期もありましたが、この頃はいろんな種類のマスクが増え、また暑さ […]
囃子三昧
私が初めて能の世界に足を踏み入れることになるきっかけを作ってくださったのは、柿原繁蔵先生です。繁蔵先生は柿原崇志先生のお父様で、柿原弘和先生・光博先生、白坂信行先生・保行先生のお祖父様にあたります。 母が自宅のお稽古場で […]
すり足とずり足
この頃テレビでは健康に関しての番組が多くてよく見るのですが、とても気になることがあります。歳をとって運動不足になり足腰が弱ったときの話が出ると、必ずと言っていいほど「足腰の筋力が無くなると足が上に上がらず『すり足』になり […]
能のひとひら
50代の頃、五行歌をよく作っていました。和歌や俳句も好きだったのですが、何の決まりも無く、ただ気持ちを五行に表せばいいという手軽さに惹かれ、思いついたことを五行にしていました。一つの文章をどこで区切るかによって、リズムや […]